第20話・玉ちゃん、ご苦労様です!

 前回までのあらすじ
 兎小屋での鍋や遊びの終幕し、海ちゃんとひめは帰宅、みっつは兎小屋に泊まる事になった。相変わらずのラビの奇行に苦しめられたみっつだったが、疲れていたため、すぐに眠りへと落ちていったのだった。そして、長かった夜が明けた。

 蛇口から流れる水の音で、みっつは眼を覚ました。ふと、見上げてみると玉ちゃんが昨日の残りの食器を洗っている様だった。
 みっつ 「あ、玉ちゃん。おはよう・・・。」
 玉ちゃん 「あ、おはようー。起こしちゃった?」
 みっつ 「いや、ボチボチ帰るつもりだったから、そろそろ起きなきゃならないし、気にしないで~。」
 玉ちゃん 「うん!ありがとねー!」
 この時、みっつは、
 (ああ、優しいな~!玉ちゃんは、正に天使だ!これからは、玉ちゃんと書いて天使と読もう。全く、ラビの馬鹿は幸せ者だぜ!)
 と、玉ちゃんと会話しながら思っていた。
 そして、ラビはというと、まだ熟睡してる!しかも、ヨダレまで垂らしてやがる!普段から低血圧で、起きた後もボーっとしているみっつだったが、アホ面で寝るラビを蹴り起こしてやりたい衝動に駆られてしまったのも無理ないことだろう。
 だが、玉ちゃんが目の前にいるので、
 みっつ 「ラビは、ほんと仕方ないよね~。苦労するしょ~?」
 玉ちゃん 「うん。でも、もう慣れたよー。」
 と、玉ちゃんと会話をして誤魔化した。
 この日もラビと玉ちゃんは、集中講義があるようなので、みっつは早めに帰ろうと思ったが、聞くところによると玉ちゃんが友達を迎えに駅まで車で行くというので、ついでに乗せて貰う事にした。
 出発の時間までテキパキと家事を行う玉ちゃんの姿を見ていて、みっつは居たたまれなくなり、
 みっつ 「玉ちゃん、何か手伝うかい?」
 玉ちゃん 「いや、いいよー!そこで、座って待っていてねー!」
 と、玉ちゃんは洗濯をしていた。
 そして、出発の時間になったので、出かける前に玉ちゃんはラビを起こすのだが、
 ラビ 「レポートを家でやるから、まだ寝かして~。講義?サボるよ・・・。」
 と、情けない事を言って再び寝りに入っていく始末だった。仕方ないので、ラビを放置してみっつと玉ちゃんは近くの駐車場へと向かった。真冬なので、車の中を時間をかけて暖めてから出発したのだが、意外に車好きな玉ちゃんの運転は危なげなかった。
 車内での話題は、怠惰なラビの話がほとんどで、2人揃って「ラビは仕方ないよね~!」という意見のもとにラビ批判を繰り返していた。
 駅に到着したが、玉ちゃんの友達は、まだ来ていなかった。しばらくして、玉ちゃんの友達が現れたので、
 みっつ 「送ってくれてありがとう!じゃあね~。」
 と、お礼を言ってから、地下鉄の改札に向かうのであった。そして、みっつは、
 (夜にある指導室の忘年会に備えるために寝よ~。)
 と考えながら、満員電車に揺られるのであった・・・。

 これで、長かった一連の話も完結という事ですが、これだけの長編になると構成が難しいですねぇ。結構、疲れました・・・。
 さてさて、次回は成り行きで大学の選挙管理委員長になってしまったラビが行う選挙の様子を描く、第21話「ラビット流選挙」です。お楽しみに~!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ


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